バイオメンター動物病院
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肛門腺絞りの有無


肛門腺を絞る必要がある犬達は私達の診療所にはいません。

子犬から老犬になり亡くなってしまうまで生食だった犬達が沢山いましたが、肛門腺が詰まったりそこから問題が生 じた子はゼロです。

肛門腺は通常、便をする際に肛門腺が圧迫されて便と共に中にある分泌物が排泄されるというのが正しい仕組みで す。肛門腺の役割は犬や猫達がこの肛門腺の臭 いで自分以外の相手を識別したり、縄張りの臭い付けに利用したりしていますので、便と一緒に出る様に作られてい るのが自然の法則です。それを定期的に人が 絞らないといけない状態というのは、どこかで改善の余地があるかもしれません。

北斗が以前、海水を飲み数日間下痢になりましたが、そんな短期間では肛門腺に問題が生じることは先ずないです。 肛門腺が炎症を起こすまで下痢が続くという のは、慢性化している状態ですので、基本的にはその下痢症状を改善する方が肛門腺の詰まりや炎症への原因治療と なります。

肛門腺が塞がっても絞ってもらえば済むことなのでしょうが、それでは対症療法になってしまし、軟便や下痢を続け ている身体は、栄養素を吸収できず、健康体 ではなくなっていくのも時間の問題となり、もっと大きな疾病を抱えてしまう原因になりますので放って置けない問 題です。

また、犬にとって肛門腺を絞られるのは心地良いものではないと察しますし、人工的に絞る事で余計に炎症を起こし やすくするケースも少ないくないです。

肛門腺の詰まりやその後の炎症で最も多い原因は合わない食事です。消化不良により便が軟便過ぎて、肛門腺を便で 圧迫できずに分泌物が排泄されずにいるとい うことです。

寄生虫による下痢もありますが、下痢が続く場合は自然薬でも化学薬品でも駆虫を行う方が多いでしょうから、それ が大きな原因である場合は少ないと思いま す。

合わない食事による下痢は、その食事を改善しない限り続きます。続くと胃腸炎症が発生したり、リーキーガット症 候群からアレルギーが発症し、膵臓機能が低 下したり、大腸に悪玉菌が集まり免疫系がやられ始めるケースも多いので、肛門腺問題は、症状として現れる身体か らの赤信号だという感じです。

肛門腺の分泌物が溜まりやすい!という子は、なぜ溜まるのか?という原因を追求されることをお勧めします。

フードのみの方は、質の高い物に切り替え、トッピングでお肉や骨を与える事で、肛門腺の詰まりや炎症の原因であ る軟便や下痢の改善が必要です。良いフード の見分け方に関しては過去記事のタイトル「狼子犬の冒険」をご覧ください。

生肉骨を与えているが便が軟便だという場合に考えられる原因は以下です。

鶏肉や牛肉(その他のタンパク源に)反応:鶏肉や牛肉にアレルギー反応を起こすケースです。

野菜に反応:犬や猫は野菜を消化する機能を実際は持ってませんので、消化が上手でない子も居ます。食物繊維や多 糖類に代謝で得る短鎖脂肪酸が欲しいという 意見もあるのかもしれませんが、実は野菜はその為であれば必要ない事がわかってます。別の機会にお話します。

糖分に反応:野菜同様、犬猫は糖分の分解酵素を唾液の中に殆ど含みません。肉食動物が、苦手な炭水化物を消化す る酵素を生成することを強いられる結果、膵 臓に大きな負担がかかるケースも多いと言われてます。

サプリやハーブに反応:良かれと思って与えている物が余計である場合もありますので、与えるものは本当に必要な 物だけにします。基本的に疾病も抱えておら ず生食を行なっているのであれば多くのサプリやハーブは必要ないです。

膵臓機能の低下:まだ成長してにない子犬や、過去に消化不良問題を抱えており長い期間の治療を行なってきた成犬 などに見られます。生食などを加熱するか、 缶詰食から徐々に慣れさせ生へ戻していく様にします。残念ながら缶詰食でないと軟便になってしまう成犬も存在し ます。

腸内細菌バランスの乱れ:プロバイオティックスを与えることで安定するケースが多いです。過去に書いてますが今 度再投函します。

駆虫薬に反応:日本はまたこの季節になりますね。肛門腺だけでなく、肝臓機能などの問題にも繋がる過剰駆虫薬投 与ですので、よく考える余地があるかと思い ます。

ストレス:ストレスと胃腸障害の関係も、過去記事で書いてますが新しくフォローして下さった方々の為にも見付け 易くタイトル付けて再投稿します。

下痢が続く場合、まずはその下痢を固めの便にする対症法として活性炭を与える方法があります。活性炭が下痢の水 分を吸収し、時には下痢の原因である毒素を 吸い込んで腸での再吸収を防ぎます。活性炭を与える場合は、食事とは別に与えてください。吸収力が凄いでの食事 の栄養素が排泄されてしまいます。



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