バイオメンター動物病院
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リンとカルシウムの割合


胃液が人よりも強酸性であるある犬猫達にとって、骨を形成し体内でも重要な役割を果たすカルシウム、リン、マグ ネシウムを効率よく摂取するには骨を食べるのが一番です。

骨の全成分を100%と過程した時に、
  • 10% から20%は水
  • 20% から25%タンパク質(コラーゲンやアミノ酸)
  • 60% から65%ミネラル(カルシウム、リン、マグネシウムなど)
が含まれます。

体内にあるカルシウムの99%は「貯蔵カルシウム」として骨や歯などの硬い組織に存在し、残り1%は「機能カル シウム」として血液、筋肉、神経などの軟らかい組織に存在し、細胞の分裂分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液 凝固作用の促進などに関与しています。

骨には、
  • 骨を こわす細胞「破骨細胞」
  • 骨を つくる細胞「骨芽細胞」
が働いていてお り、このふたつの細胞の働きで骨は生まれ変わります。

通常の食事から摂取するカルシウム量で過剰症が起こることはまれですが、サプリなどにより過剰摂取した場合、泌 尿器系結石や、鉄、亜鉛、マグネシウムなどの吸収阻害が起きる可能性がありますので注意が必要です。

骨の成分はリン酸カルシウムですが、オランダの生食の世界では理想的な比率は1:1、最高でも2:1だと言われ てます。

骨のカルシウムとリンの割合
  • 子羊 の首骨    2.2:1
  • 子羊 胸骨     2.1:1
  • 牛の 胸骨     2.1:1
  • ラム 脚        1.7:1
  • 鶏の 背肉      1.7:1
  • 兎の ガラ     1.8:1
  • ラム 肋          1.7:1
  • 鴨の ガラ     1.8:1
  • 七面 鳥首     1.9:1
  • 鶏ガ ラ      1.8:1
  • ダッ ク首     1.8:1
  • 兎の 背骨     1.5:1
  • 牛の 喉骨     1.5:1
  • 牛の 肩甲骨    0.8:1

人間を含め生物はすべて新陳代謝をすることで生きています。

骨の細胞も、毎日少しずつ新しいものと入れ替わっているため、カルシウムとリンは毎日、必要な量が消費され一定 の量がリン酸カルシウムの形で体外に排出されます。

このバランスを維持するためには、毎日、一定の量を新しく摂取する必要がありますので、リンを多く含んだ肉類を 食している犬や猫達はカルシウムとリンの比率バランスを保つ為に骨を毎日食べる事が重要です。

骨のために骨を食べる事が理にかなっているのは誰が見てもわかる事ですが,
骨から得る栄養素を十分消化し吸収するには胃酸が強酸性であることが重要ですし、コラーゲンなどのタンパク質を アミノ酸まで分解する酵素の存在が重要です。

それには胃、小腸、膵臓といった消化器官の機能が確りしていることが条件になります。

これは骨の消化に限ったことではないですね。

骨の健康を保つためにはカルシウムやリン以外にも必要な栄養素が以下です。
  • ビタ ミンD…カルシウムの吸収をサポート
  • マグ ネシウム…骨の材料になる
  • ビタ ミンK…骨の丈夫さと緊密な関係

分解が不十分だったり、合成するために必要な材料が不足したりしている状態では、カルシウムなどは使われないま ま排出されることもあります。

そのためカルシウムやリンの他に骨の材料となるマグネシウムなどの摂取も大変重要です。

もちろん骨にはこのマグネシウムもバランスよく含まれてます。

カルシウムの役割として筋肉を縮める作がりますが、逆に拮抗して働くマグネシウムは、筋肉を緩める作用を持って おり、このバランスが崩れると筋肉がうまく機能せず、痙攣や攣りがが起こりやすくなります。

血管を柔軟に保ち、体の血液の流れをよくするためにもマグネシウムは不可欠です。

また精神的なイラつきなどもマグネシウム不足である場合もあります。

🔸骨を与える際のアドバイス
  • 子犬 や小型犬には骨を与えると詰まらせるからよくないというお話が多い様ですが、これは骨が原因ではなく骨 の食べ方が原因です。
  • 大型 犬の中にも大きな骨を丸呑みする子もり便秘になるケースもあり得るので体のサイズが問題ではないです。
  • 子犬 の頃から骨の食べ方を教えるためにできることは、片方を手で持って十分噛み砕く癖をつけさせることで す。
  • これ により骨への執着心から人の手に噛み付く様な行為も出なくなります。
  • また 小型犬の子犬であれば鶏のネックなどの骨を砕いて与えることも方法です。
  • 骨に より歯が欠ける事故もありますが、やはり幼い頃から骨の栄養不足となる食事をしていた子にいきなり硬い 素材の骨を与えることは無茶であるのは確かです。
  • そう いった場合は骨をミンチにし、確り吸収しさせ強い歯を作る事が先決です。
  • また 骨を食べることに慣れている子であれば、自分の歯の強度をよく知ってますので、無理な食べ方はしません が、骨に慣れてない子の場合に、どこまで自分の歯が対応できるのかという加減が分からない子も時にはい ますので、そういった子には柔らかめの骨から始める事をお勧めします。
  • 3週 齢ごろから鶏ネックを食べていた愛果ですが、11週になりそのネックも砕かずボリボリ食べれる様になり ました。
  • 今は 手に持って食べさせるか、砕かずただ一口サイズに切って与えるとバリバリ言わせて食べてます。
  • 愛果 にとっては少し硬めのラム肋も、食べれる部分まで食べ、後の硬い骨は置き去りにしたりしてます。勿論、その置き去りに された硬い骨を食べるのは狼犬のモナミです!


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