バイオメンター動物病院
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毛球症予防


毛球症、又の名をヘア・ボールは猫やウサギだけでなく犬達にもありえる問題です。

毛球症とは、飲み込んでしまった毛が胃腸内で問題を起こすことを言い、食欲不振や嘔吐、腹痛などが主な症状です。その原因を見つけられないまま「胃腸炎」 という”症状に名前をつけた診断”を受け、治療食フードや効かない医薬品の乱用で更に悪循環に陥ってしまうケースを何度も診て来ました。

この換毛気の時期に犬達が草を食べるのは大半がその溜まった毛玉を取り除く為だというのが私達の意見です。換毛期がない子でも冬から夏に向けて毛の生え変 わりはありますので、ヘアボール問題が起こる可能性があります。

飲み込んだ毛は胃や腸の中で球状になり、徐々に増えていくことで硬くなっていき排泄困難な状態になることがあります。またその毛玉が胃壁にこびりつき、そ こから炎症が発生する可能性もあります。場合によっては腸の毛玉を手術で取り除くしかない場合もあり、また稀に腸閉塞を起こし命を落とすケースも猫やウサ ギなどであります。

今回の事例は、7歳になるバニーズマウンテンドッグが2019年の12月から胃腸障害を抱えていたお話です。症状は嘔吐と腹痛、安定しない便でしたが、治 療食フードや抗生剤と考えられる一般的な治療で改善を試みたそうですが全て効果がなく私達の診療所に相談に来られました。

与えていた治療食をやめ質の良い一種類の動物性タンパク質が入った缶詰に切り替えていただき、プロバイオティックス(どんな治療にも必ず出て来てますね ~)に胃腸用の漢方を混ぜた物を処方し先ずは様子を見ることにしました。

1週間後、その後の経過を観察するために訪問していただきました。、その際に、大きな便の様な形をした15cmサイズの毛玉を嘔吐し、それ以降、今までの 症状がなくなったという話をされ、その吐き出しだ毛玉の写真を見せて下さいました。その毛玉には多くの草が混じっていました。

2年前に精密検査をしても見つからなかったくらいですから、その当時はそれ程大きいサイズではなく、壁にこびり付いている程度だったのかもしれませんが、 それでも胃の中の異物に身体が反応(嘔吐)していたようです。

私達の経験では、ダブルコートの犬達も、猫も、生食や手作り食の子達は毛球症になり難いと言えます。その理由に、毛質が良いのでグルーミングなしでも換毛 がスムーズに行われ、その期間も短く、また食事の効果で胃腸に毛が溜まり難いですし、胃のphが酸性なので毛玉による炎症や感染症が発生し難い様です。一 般的に体に合った食事をしている子達の消化器官は何においても抵抗力があります。


ご家庭で毛球症を予防する対策として以下の様な事があります
  • 毛質が悪い子ですとス ムーズに換毛できずに絡まった状態の毛を飲み込む恐れがありますので定期的にブラッシングするかトリミングしてもらう
  • 水分補給をしっかり行 わせる
  • プロバイオティックの 2号を飲み水や食事に混ぜる(私達の経験では90%以上効果あり)
  • 胃腸内の炎症が既にあ る場合はプロバイオティックスの4号の方が効果がある
  • オリーブオイル、ココ ナッツオイル、馬油、バターなどのオイル類を換毛期は多めに与える (猫にはオリーブオイルなどに浸されたツナ缶でもいけます)(5kgの体重毎に約ス プーン1杯)
  • 消化できるのであれば、生、もしくは軽くお湯 に浸した南瓜(繊維が多い植物性のもの)を擂り下ろすし週一回与える(5kgの体重毎に約スプーン1杯)
  • 外での食草を避けたい 場合は猫用の草やチモシーなどを庭やプランターに用意する
  • オオバコの種子を水に 浸し、予防であれば1週間に一回、毛球症である場合は1日一回5日間与える。(5kgの体重毎に約スプーン半分)
  • 天日干しされた天然パ パイヤや粉にしたパパイヤパウダーを与える(5kgの体重毎に1gr程度)
  • 納豆菌を飲み水に混ぜ て与える

繊維の多い物を与えるという情報は与えすぎで別の疾病などが出ない様、何事もその時期のサプリとして扱って下さい。



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