バイオメンター動物病院
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ご家族への私達からのメッセージ集


長 期 に渡る治療を行っているにも関わらず、身体的な問題、また行動的な問題が解決できない場合は「治療法(メゾッ ト)が間違っているのではないか?」と疑問を 抱くことで別の道が開けてきますということです。医学的にも行動学的にもホリスティックな視野と知識を持つ専門 家を見つけられることをお勧めします。正し い知識を持った専門家に出会い、動物達を中心軸とし360度の角度で抱える問題を見る目を持つ事で、根本の原因 が見つかり早期の改善を促せますので、その 「正しい知識」を持った専門家を見極める目をご家族も養ってください。

治療の限界となる状況はどの病院 でも起こり得ることかと思いま す。しかし、獣医が把握している治療法が全てではないケースが多いことを決して忘れないでください。これは 行動心理学分野でも同じことです。オランダでは 攻撃性が原因で安楽死させられる犬の数が減らないのが悲しい現状です。治療法が違うだけで結果が違ってくる 事例は大変多いです。治療の限界を獣医から受け たとしても、他の治療法が存在する可能性は大きいです。疾病にもよりますが、長期にわたる治療でも改善しな い場合は、治療法に疑問を持たれ、別の方法を検 索することで治してあげられるかもしれないです。悩んでいる方々に「他にも方法あるかも」ということを伝え られたらと切に願います。

教訓になる名言を目にしました。

「見えないと始まらない。見ようとしないと始まらない。
(When it isn’t seen, it doesn’t start. When I don’t try to see, it doesn’t start.)」ガリレオ・ガリレイ (Galileo Galilei)

どんな状況でも選べる治療選択は幾つかあります。私達は動物診療所として出来るだけ多くの対処法と期待できる結 果を研究や経験を元に提案し、私達なりのア ドバイスをすることで、どれが今の状況にベストなのかという選択を家族と一緒に取れるような環境を作る努力をし てます。これは、オランダ人の国民性がそれ を求めるからです。「先生にお任せしまう」という飼い主は非常に少ないです。この「家族が一緒に戦う環境」を作 ることがオランダでは一般的であり、医師側 もそれに対応するコミュニケーション術を身につけます。

人はどんなにベストだと思った選択をしても、結果がどうであれ、どうしてもその取った選択を後悔してしまうもの です。「自責の念にかられる」ですね。これ が愛する動物達の介護や治療となると更にその選択も難しくなり後悔するリスクも高くなります。「どうしても助け てあげたい」という思いが高ければ高いほ ど、何を選択していいのか迷い、その選択で出る結果を恐れますよね。しかし「自分の意思を伝え」一緒に選択する ことで、後々の後悔を減らすことができるの も事実です。この環境を築くには、家族側だけではなく、医師側の受け入れ態勢が整っていないと難しいのは確かで すので、日本の獣医会でもこういったコミュ ニケーション術を学ぶ様なシステムが出来れば良いなと願います。

皆さんもご家族として、こちらの希望を伝えること、質問責めにすることなどを遠慮する必要はないと思います。我 が子を一番大事に思っているのは皆さんです から。勿論自分の意思を認識し、それを明確にするためには選べる治療や予防策の選択内容を自分で学ぶことが大事 です。知識は力なりですね。


自分の直感を信じることが時には 難しいと言われる人も多いので はないかと思います。初めは自分の勘(直感)があったはずなのに、多くの情報や他人の話し、 アドバイスを受けすぎて「自分」を見失う結果になってしまい、最終的にどうして良いのか解らなくなってしま う事ってありますよね。そしてなんとなく「胸騒 ぎ」が起こり「そうじゃないはず」という思いが頭の何処かに残り、それがどうししても消えず自分のとった選 択に不安を感じてくる。

重要な事を直感で決めるのは何だ か危険じゃないかと思われそう ですが、実は直感は自分の本当の心を伝えてくれる「魂のささやき」で、何かをしようと考えた時に「0.1秒 の速さでやってくる魂からの答え」だそうです。 直感の後すぐに「思考」が頭の中を過ぎり、その答えをかき消し、常識的なまたは自分の習慣や思い癖などに基 づいた選択をさせようという迷いが生じ、直感は 容易くかき消されてしまう「一瞬過ぎる声」ですね。

動物たちを見ていると、お互いが 交差する生活の中でこの「直 感」がどれだけ大事かがわかります。きっと彼らには人が抱える頭の中の「雑音」がないから、素直に迷いもな く「直感」をチョイスすることができるんだと思 います。この直感こそが野生の中で生き残る唯一の道だからです。ヒトと暮らす動物たちにもこの野生の勘が 残っていますよね。瞬時にして相手の感情やその場 の状況を(意識的に&無意識的に)把握し自分の行動を決めれる能力。

ヒトにも野生の勘はあったはずで す。それが情報社会が進むこと で「思考が」が増え「思い癖」に慣れ、魂のささやきを聞き流してしまう習慣がついてしまったような気がしま す。ヒトの行動も思った以上に無意識の反応(直 感)に影響を受けていることが多いそうで、日常の心理的反応の99.4%は無意識下で生じているとの大胆な 見積もりを出している研究者もいるみたいです。

その無意識の反応に意識を向け、 迷いなく自分の一瞬の声である 直感をキャッチするには訓練が必要です。ヒトが言う行動問題を抱えてしまった犬達を診療所に迎える時に、こ の「直感」が彼らとコミュニケーションを取る私 にとっても非常に重要です。脳で考えていると雑音が入りタイミングというものを逃します。彼らの直感に波長 を合わせなくてはいけません。数多くの動物たち の指導により「直感的な判断力」を身につける訓練を日々受けてます。

普通は存在しないと動物達に指摘されそうですね。動物達は他と違う事をしても、それが普通とか普通じゃないと か、そう言う感覚持ってませんし、誰 が何を思おうと気にしません。マイペースそれが動物です。だから付き合っていて気持ち良いし、気兼ねなく自分で 居られる。アニマルセラピーの効果はそこに あるんだと思います。”今の自分を評価されない”

動物達と一緒に暮らす中での、他の家族と比べて「普通・普通じゃない」という評価を受けることもあるんじゃない かと思います。

オランダでは犬猫に洋服を着せないのが「普通」です。私は雨の日には小型犬にレインコート着せます。「犬にコー トなんて必要ないよ」と大型犬を連れた人に 言われたことありますが「犬に聞いてみたの?」と尋ねたら去っていきました。

話によると日本ではまだまだ、生肉骨を犬猫達に与えている人や犬猫にワクチン接種させて人達が「普通じゃない」 と周りから見られてしまう環境のようですよ ね。だから周りの人にそれを言えないし、ましてや獣医に言うなんて「普通じゃない」と言われるからとんでもな い!『何を与えてますか?』と獣医に聞かれた ら「ドライフードです」と言うしかない状況。

ポーランドの天文学者のコペルニクスが最初に主張した「地動説」それを天文学的に証明しようとしたガリレオ。当 時は普通じゃない人達だけど、今は天文学の パイオニア。ガリレオの名言にあるそうです。「人にものを教えることは出来ない。自ら気づく手助けが出来るだけ だ」

その人其々(勿論医者も含め)に「気づきの瞬間」があるのでしょうから、私たちが出来ることはそれを手助けする 事。生食派(+手作り派)の皆さん、自信を 持ってください。皆さんも日本では生食&手作りのパイオニアです。

心 に余裕を持つことは動物達と暮らす時に大事な事ですよね。人は余裕がないと慌てますし、焦りますし、イライ ラして、動物達の行動を問題視し始めます。「心 に余裕を持つ」ことで、どんな場面でも落ち着いて冷静な判断ができ、自分の決断に自信を持つことができ、忍 耐がつきます。

起こった出来事で犬がトラウマを抱える原因の一つに、その場にいた人間の行動や感情などが大きな影響を与え ているケースが多いです。また心に余裕がある事 でマインドフルネスが達成でき、動物達の細かい(ヘルプ)サインを受け取ることができます。一緒に暮らす動 物達のためにも心に余裕を持って、どんな場面も 冷静沈着に対応できるようになりたいですね。それを習得するには「余裕」の重要性をしっかりと認識し普段か ら余裕を持つことを意識して心がけることが必要 だそうです。

診療所で恐怖心の強い犬猫達を診察する主人をアシストする場合など、恐怖心のない子なら数分で終わるハンデ リングも、恐怖心を抱えている子が相手ですと もっと時間がかかります。心に余裕があれば彼らの恐怖心に寄り添い、彼らの心の準備ができるまで待ち、会話 する時間を設け、最終的には遣り通すことができ ます。これは家庭で躾などをする場合にも当てはまることですよね。

そういえば「心に余裕を持つ」ことの基本は?というサイトを覗いたら、犬猫達の話をしているのか?と思いま した。

1. 他人と自分を比べて劣等感を覚えない
2. 他人からの評価を気にしない
3. 他人に合わせた言動をしない
4. 自分に完璧を求めない
5. 今の自分に満足する
6. 思い込みを無くす
7. 自分の時間を作る
8. 些細なこことで傷つかない
9. 考えすぎず直感を信じる
10.優先順位を守る:1位は食べる・2位は寝る・3位は遊ぶ

10は動物たちが言いそうな基本を付け加えました。

犬 が成長に必要としている生活を与えないまま人間のルールだけを押し付けても「抗議行動」が出るので、まずはこの 子が必要とする運動量や他犬との交流を増や して、まだ若いこの子を精神的に支えバックアップしながら、その成長過程を一緒にしかも”楽しく過ごされる” ことで信頼関係が生まれ犬からの協調性を得られるのではないかと思います。

精神的な影響は身体にも影響を及ぼすのは動物達も同じですので、彼らが必要としている事を理解尊重し、またご自 分が納得しリラックスした気持ちで楽しく行 えるトレーニング法を探し求めることが、今後の我が子との信頼関係、また健康管理の大事な鍵となります。

ポジティブ思考とは、その状況の 良い点を意識しそれに集中する こと。私たち の診療所でもポジティプ思考は実践してます。
ただでさえ大事な動物が病気に なって助けを求めて来られている 家族の方々ですから、ネガティブな指摘は絶対にしません。「生食与えていればこうならなかった」とか、 「もっと早く来ればこんなに悪化しなかった」とか、 そんな事を言っても治療の足しになりませんし、家族を傷つけるだけですし、言っていることは予想であって 100%正解なのかは神や仏でも確定できないはず だからです。

連れて来られた状況を不必要に非 難する事の裏には
「これを治せば自分の有能さをア ピールできる」
「治せなかった時に自分の責任に ならない」
という心理があるのかじゃない? と思えてなりません。

ホリスティック動物病院だからで しょうか?他で心を傷つけら れ、結局動物たちも治ってない状況を抱えたご家族が沢山来ます。まず、ポジティブな思いで我が子の介護に当 たって貰う為に
抱えられている家族としての後悔 や罪の意識を取り除く努力をし ます。物事は見ようによっては必ず良い面があるからです。それを伝えてやるのが専門家の役目です。

家族がポジティブ思考でやる気を 出し「全力を尽くそう」という 思いを持つだけでも、その感情に敏感な動物たちが共感しポジティブホルモンが出て自然治癒力も上がり善玉菌 が活発になってきます。脳内ホルモンは心身を整 え、治癒力を高める“天然の薬”と言われてますから、出してあげたいですね。

犬の研究でも飼い主が本気で(思いを込めて)褒めた時だけ脳が喜んでる研究結果が出てました。研究での犬の脳画 像は左脳が言葉そのものに反応し、右脳が口 調(イントネーション)に反応していることが明らかになったそうです。人間でも多くの人の場合、左脳は言葉の意 味の分析や計算など理論的な働きをし、右脳 は音楽・美術などの芸術性や創造力など感情面の働きをするといわれてますが、イヌも人間同様に両方の脳を駆使 し、飼い主の言葉の意味と込められた感情を判 断しているそうです。

飼い主が本当に称賛の気持ちを込めて言った褒め言葉だけに、イヌの脳の中にある「報酬系領域」が活性化したそう です。報酬系領域は人間にもあり、物事を達 成した時やうれしいことがあった時に快楽物質のドーパミンが分泌されてます。イヌは飼い主の「本気」と「ウソ」 を見抜いているという研究結果です。この研 究を行った博士が語っていました。『犬に望ましい行動をしてもらう方法はただひとつだそうです。『本当に優秀だ ね』と本気でほめてあげることです。」
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このドーパミンは”生きる意欲を作るホルモン”ともいわれ”報酬学習の鍵”でもあるそうです。報酬学習では、行 動に対してどのようなタイミングで報酬が与 えられるかが学習の効率を決定する事は既に分かっておりましたが、この報酬タイミングを検出する神経基盤は不明 だったそうです。しかしこの神経伝達物質で あるドーパミンがヒトや動物の報酬学習に関与すると言われており、ドーパミンは一定の時間枠においてのみ報酬作 用を持ち動物個体の報酬学習を起こすと示唆 されてました。その脳神経細胞で起きるドーパミン系の報酬作用がわずか2秒以内で起きることを突き止めた研究結 果が出ており、好ましい行動をとった0.3 秒~2秒の間に褒めてあげるのがベストだという事を科学的に証明したようです。という事は犬に何かを教える時 は、犬も楽しみながら学習すると、やる気も引 き出され、記憶力も高まるようですね。


先入観とは意外に厄介ですよね。 持ってる方も持たれる方も。人 が持つ動物への先入観もありますよね。私達の診療所にも、ジャーマンシェパードだから先入観持たれ、去勢手 術後の抜糸をする時に、いきなり6人ものアシス タントに抑え込まれて恐怖心で大暴れし結局抜糸はできなかったと言って私たちの所へ連れて来られた子がいま した。結局はシェパード君と目を見て話をし「抜 糸しないと炎症起こすよ!」って言ったら、すんなり抜糸させてくれました。

凄 まじくエネルギッシュノ ヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーのフィンキー君の瞼にできた良性腫瘍摘出手術の抜糸の話 も「抜糸しないとお尻に注射されて吐き気してく るよ」とその様子を頭で絵にして伝えたことで、抜糸用スカルペルが目の近くまで見えててもジッとできてまし た。先入観を持っていた飼い主もびっくりしてま した。

先入観で動物達を判断する前に動 物達が理解できるようなコミュ ニケーション法を学び、正しい方法で会話する事で色々な事がスムーズにいきます。

獣医は、動物の病や治療法に関してはプロかもしれません。しかし、家族である皆さんこそが、自分が愛るす動物達 を一番理解し、どんな時でも最良のケアを望 まれる方々です。掛かってる獣医の診断や治療への選択だけが唯一の可能性ではなく、その動物が抱える問題をでき るだけ違った視点で見ることで、やれる事は 沢山あるのだというのを決して忘れないでください。情報社会が発達した今、欧米での獣医療に関する情報を入手で きる時代ですので、世界中の獣医たちの臨床 での経験医学を知ることも可能です。今行われている事が、最後の望みであると諦めず、さらなる改善を追い求める 姿勢が大事です。

獣医学的には「病を治す」という思考が中心です。しかし、病を予防することや、また治らない病気であっても進行 を止め、痛みや苦しみのない生活を送らせ、 QOLを向上する方法なども大変重要な獣医療です。身体的に完璧である事だけが生きているという訳ではなく、病 に立ち向かう家族との絆や、辛い中にも生き ている喜びを感じる瞬間を一緒に味わうことこそ、共に暮らす意味を持っているのではないかと思います。

臨床で働く全ての獣医が家族側に立ち、病を抱える動物を「我が子」のように親身になって診察したり治療を行うこ とで救われる命は多いはずです。しかし残念 ながら、そのような素晴らしい獣医達に誰もが出会えている訳ではないのが現実ですので、最良を望む家族である皆 さんが、日頃から情報を収集し、気持ちの分 かる飼い主同士がお互いを助け合い、必要な情報がそれを必要としている家族に届くようなネットワークができれば 素晴らしいと思います。

今までも、多くの動物達との別れに立ち会ってきましたが、どの家族にとっても、共に生きてきた子達を見送るのは 本当に辛いことです。しかし、いつかは誰も が経験するこの愛する子達との別れの際に、悲しくても決して後悔はないと言えるよう、是非日頃から健康に関する 学習を行い、正しい情報を見極める目を養 い、その子に合ったケアを自分の意思で実行することで、残される私たち家族は救われるのではないかと思います。



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