バイオメンター動物病院
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生食と腎臓機能


腸 生食の子の腎臓機能 を検査した際にBUN(血中尿素窒素)とCRE(クレアチニン)の数値が基準よりも高いという指摘を受ける方も居るのではないかと思 います。私達の診療所にもこの数値の相談に来られる生食派のオランダ人が多いです。

この基準値は、基本的にはドライフード犬を元に出された数値で、生食犬の基準値ではないです。アメリカではすでに生食犬のためにBUNやCRE数値が改善 されています。

BUN(血中尿素窒素)
タンパク質が体中で分解された後の最終産物である尿素の中に含まれる窒素分で、肝臓でアンモニアと二酸化炭素で作られ、血液によって腎臓に運ばれ糸球体で 濾過されて尿排出されます。

生食は高タンパク食ですのでBUNが増えるのは当然の事で、腎機能障害の疑いを掛けられても直ぐに慌てる必要はないです。生食を推薦しない獣医であって も、こういった基礎知識は得ていて欲しいと思います。

ケトジェニックダイエットを実行する人の場合も、BUN値は高い方ですが、正常な腎臓が高タンパク食で負担を受けるというエビデンスは実際には存在しない そうです。

ましてや肉食動物である犬猫は、高タンパク食の為の消化器官機能を持ってますので、タンパク質の処理力は人よりも遥かに高いです。狼のBUN標準値を調べ た研究では、巷で言う基準値を50%も上回っていたそうです。さすが本場の肉食動物ですね!

◆CRE(クレアチニン)
筋肉で産生されるため、筋肉量の多い子は少ない子に比べて高数値になる傾向にあります。血液検査で同じクレアチニン値でも、生食派の筋肉質な子と、痩せた 老犬では、腎機能診断の内容が異なります。

体格の違いで基準値が違って来ますので、我が子にあった基準値を知っておくことは重要です。

またクレアチニンリン酸やクレアチニンを豊富に含む筋肉の摂取量が増えることで、クレアチニンの数値も上昇しますので、腎機能が低下した訳ではないです。

腎臓の検査をされる場合は、断食させて採血し、脱水によりBUNやCREが上昇しますので、水分補給を十分行なった後に検査します。

SDMA検査
腎臓機能の良し悪しは、BUNやクレアチニンの数値では100%腎臓に原因があるのかは分かりません。腎前性・腎性・腎後性かを知る為には、SDMA検査 や尿検査をおこなうことで腎臓機能の状態をより明確に判断できます。

SDMA検査は0~14が基準値ですが、15~19の数値でも以下の様な症状を伴ってなければ、腎臓機能低下という診断にはならないそうです。
  • 多量の水分摂取
  • 多量排尿
  • 体重減少
  • 元気がない
  • 呼吸困難
  • 吐き気・嘔吐
  • 発作
  • 尿が黄色くない


ホリスティック(統合)獣医療的なアプローチ


私達の診療所で、生食を子犬の頃から行なっている子達の中に腎臓疾患になる子は居ません。他から移って来た腎臓疾患の子でも QOLの向上が見られ、数値も改善しているケースが殆どです。

◉腎臓疾患で多い原因
  • 脱水(膀胱炎、結石に もつながる)
  • フードによる悪影響と 良質栄養素不足
  • 高腎毒性の駆虫薬やワ クチンの過剰投与
  • 除草剤(グリホサート など)
  • ストレス(脱水)
◉︎猫のワクチンは腎臓組織を使っ たものが多く、それを摂取することで自己腎臓細胞を攻撃するという現象が起こり始める。また猫に多いのが脱水。

治療内容
  • 水分補給(生食でも脱 水に注意)
  • 良質タンパク質(生 食)を適度に摂取
  • エネルギー源の動物性 脂肪を摂取   
  • シニア犬にも生食(も しくは良質な缶詰)
  • 化学薬品投与を控える
  • ワクチン接種ストップ

補助品
  • 八味地黄丸
  • 牛車腎気丸
  • ビタミンB群サプリ
  • 炭酸水素ナトリウム (重曹)
  • 生の腎臓
  • プロバイオティクス2 号を多めに摂取
  • コロイダルシルバー
  • コロストラム
  • 腎臓用ハーブ(タンポ ポ、ネトル、アキノキリンソウ)
  • 肝臓もデトックス
  • クリルオイル(オメガ 3脂肪酸)
  • スピルリナ
  • クロレラ
  • プロポリス
重曹に関するイギリスの臨床研究で は、慢性腎疾患患者が末期腎不全に移行したのは、通常の治療対照群で45%を上ったのに対し、重曹服用を続けた試験群では僅か9%だったそうです。更に、 血液検査からも重曹服用患者の方が健康状態も有意に改善されていたそうです。


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