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腸内細菌であるクロストリジウム菌 子犬の愛果は1週齢の時に飲んだ母乳の誤嚥から気管支炎を起こしかけ抗生剤投 与を行なった経緯があります。 その以来、病気した事はないのでその時の後遺症もなく、消化器疾患やアレルギーなどに繋がる事もなかったです。 愛果だけでなくどの犬達にも、ワクチン接種もしてませんし、駆虫薬投与もおこなってません。 愛果が離乳食である生食を食べる様になり、プロバイオティクス2号を必ず食事に混ぜるようにしてました。 また3週齢からすでに牧場の地面を歩いており、環境から得る微生物達の恩恵もあったと思います。 哺乳類の腸管には約1000種、あるいはそれ以上の細菌種が宿主と恒常性を保ちながら相互作用しつつ増殖し ています。 これらは、
そういったことからも腸内細菌は不可欠な存在であり,ヒトや動物達と腸内細菌は共進化を遂げた1つの超有機 体(superorganism)と考えることが出来るといわれてます。 様々な疾患に関連する腸内細菌の解析からも、腸内細菌菌種の構成異常が,炎症性腸疾患,肥満,糖尿病,癌,動 脈硬化,自閉症,特定の病原体に対する感受性など、様々な疾患の発症や増悪と密接に結びついていることが 明らかになってきています。 腸内細菌の構成異常はdysbiosis(腸内細菌叢を構成する細菌種や細菌数が減少することにより,細菌叢の 多様性が低下した状態を示す)と呼ばれており、
細菌は状況に応じて宿主に好影響も悪影響も及ぼすため,善玉菌・悪玉菌という分け方は正しくないという考え が出ておりますが、このdysbiosisは、いわゆる増えると悪さをする菌が増加し,か優性菌が減少している状態で す。 dysbiosisは遺伝・環境・感染・食事・抗生物質の使用や他の薬品など、様々な原因で生じますが、 最も顕著にこのdysbiosisを誘導するのは腸内の炎症です。 免疫システムは病原体から体を守るために不可欠ですが、時には健康な細胞をも傷つける激しい凶器にもなりえま す。 炎症が収束せずに慢性化すると、炎症性物質が必要以上に作られ、免疫システムが過度に活性化し正常な細胞まで傷 つけるようになります。 その免疫反応の暴走を抑える事に貢献している腸内細菌が、実は悪玉菌だと言われていたクロストリジウム菌である ことが分かってきてます。 腸内細菌に存在する善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは2:1:7だという話を私たちも随分前に書い た覚えがあります。 しかし科学の進歩により、乳酸菌だから良い細菌で、犬達が下痢をした時に検出されるクロストリジウムだから悪玉 菌だと一概には分けられないと言われる様になりました。 この、獣医でも悪者扱いされているクロストリジウム菌は100種類以上にものぼり、 同じクロストリジウムでも、増えすぎると放出される毒素からの悪影響を受けてしまう悪玉と言われるものも存在す れば、(その悪玉菌にも重要な役割はありますけど) 大腸炎を抑制する免疫細胞の分化を促す酪酸を産生する種もいることが分かってきてます。 そのある特定の17種類のクロストリジウム菌が集まると、アレルギーや自己免疫疾患の原因である「免疫の暴走」 を根本から抑える”特別な物質"を盛んに放出することが最新研究でわかってきたのです。 免疫細胞と言えば外敵を攻撃する役目がりますが、仲間の免疫細胞の過剰な攻撃を抑える役割を持つ細胞も存在しま す。 その免疫細胞は「Tレグ(制御性T細胞)」と名付けられており、このTレグの働きで、全身の各所で過剰に活性化 し暴走している免疫細胞が抑制されることで、アレルギーや自己免疫疾患が抑えられていることがわかってます。 このTレグが、腸内細菌の一種であるクロストリジウム菌の働きによって、腸でつくり出されているそうです。 重症のアレルギー患者の腸内にいるクロストリジウム菌を調べると、明らかに少なくなっており、腸内でブレーキ役 としての役割があるTレグを生み出す働きが弱くなっている可能性が考えられると言われてます。 私たちが知らないことがまだまだ多い腸内細菌ですが、健康を維持するのに大事な役割を果たしていることは確かで す。 そんな重要な細菌達を、過剰な駆虫薬や不要な抗生剤、免疫系を犯す過剰ワクチン接種でダメージを加えることが、 様々な疾病に繋がることは誰もが分かる事かと思います。 腸内炎症が慢性化し下痢や嘔吐に悩まされている我が子に、さらに炎症の原因となり得る
動物達の健康は、そういったことを判断し実行する我々に委ねられていますので、意識を高く持ち、我が子に合う情 報や方法を探し、「決断」する知識と勇気が必要になる時があります。 |
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