バイオメンター動物病院
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子犬とワクチン接種


スペインの路上で保護された子犬たちがマイクロチップとワクチン接種に来ました。

動画はインスタ上にあります。


マイクロチップ導入針は非常に太いので、痛がる事を懸念し、必ず何らかの形で気を逸らす方法を取ります。

子犬達であれば餌やトリーツが一番効果があり、特に路上生活していたこの子達は空腹感を味わったせいか、餌への 飛びつきが凄いですね。

贅沢している家の犬達に見せてあげたい姿です。

産まれて直ぐに路上で拾われたそうで、母犬は既に行方不明で、初乳を逃し移行抗体を所持してない可能性が高いた め、子犬用のコアワクチンを接種させました。

勿論、ワクチン接種中も餌で気を逸らしてストレスのない方法で行います。

幸い新しい家族も決まっており、今後は抗体検査を行うアドバイスをパスポートに記入しました。

子犬の頃からこういったハズバンダリートレーニングを行うことで、獣医訪問への恐怖心を抱えてしまうことを予防 できます。

動画のレスキューされた子達は、チップもワクチンも全く気がついていない様子なのでハズバンダリートレーニング になっているか分かりませんが、とにかく恐怖心を抱かずに獣医の診察や治療が行えれば、どんな方法でも構わない と思います。

掛かり付けの獣医が、こういった事を行ってくれなくても、ご家族である皆さんが持って来たオヤツで気を紛らわせ る方法を取りたい意思を確り伝え、積極的に獣医での診察などに参加されることをお勧めします。

大事な我が子ですから遠慮される必要はないです。ドシドシ要求を出しましょう。

前回お話しした様に、ご家族の方が側についてあげることで、犬達の恐怖心も和らぐ事が多いので、動物病院従事者 も、動物を一番に考えるのであれば、ご家族と協力して行えるような環境を作って欲しいと願います。

さて子犬へのワクチン接種と母親からの移行抗体のお話をします。

母犬からの移行抗体は、数カ月間、子犬を感染症から守る役割があります。勿論そのためには、初乳を飲ませる際に 母犬が抗体を所持していることが条件です。

子犬の体内の移行抗体の濃度は生後数週間から数カ月かけて徐々に低下しますが、移行抗体濃度が高い時期にワクチ ン接種を行うと(例えば6週齢で)、子犬の免疫反応が起こらないケースが多いです。

それどころか、不要なワクチン接種が原因で、せっかく母犬からもらった移行抗体までも消耗してしまい、知らず知 らずのうちに子犬を感染症から守る抗体が”ゼロ”になっているケースがかなり多いです。

6週齢でワクチン接種をさせれば、どの子も感染症に対応できるという訳でない事を理解し、ブリーダーの方々は、 仔犬の初回ワクチンの時期を確りと抗体検査で調べながら、適した時期に接種させる様にすることをお勧めします。

その適した時期というのは、母犬由来の移行抗体が低下した時期です。

私達の抗体検査による臨床経験では、この移行抗体が16週齢まで残っていたケースもあり、また初乳を飲んだ子で あれば少なくとも6週目にはまだ移行抗体が十分残っている仔犬達が平均的に多いです。

幼い子犬達への負担を減らすために、不必要な、また害のある過剰なワクチン接種を控えることで、健康な子犬を家 族にお引き渡しすることができるのではないかと思います。

ワクチネーションガイドラインにも、様々な理由で子犬にワクチンを一回しか打てない場合は、16週齢以降に行う ようアドバイスが記載されてます。これは母犬からの移行抗体の影響を考慮してのことです。

確かに臨床経験で、6週齢、9週齢(12週齢)で抗体検査を行い、16週目に移行抗体が低下したためワクチン接 種をおこなったケースでは、この一回のワクチンで終生自己抗体を維持している子達がかなり多いです。

8週齢で子犬を家族に迎えられた方々は、指示通りに9週目や12週目にワクチン接種を行うのではなく抗体検査を 行なってから接種の有無を確認することで、正しい再接種の時期を決めることが可能になります。

子犬に9や10種混合ワクチンを接種させる獣医が多い様ですが、子犬の体内で起こる反応を考慮したら、そんな数 のワクチンを同時に接種なんてかなり恐ろしいですね。

接種するとしてもコアワクチンで十分で、レプトスピラ症や狂犬病ワクチンなどを行うとしても、少なくとの各種、 3週間の間隔をあけてあげてください。

成犬ももちろん抗体検査を行いますが、シニア達であれば、抗体検査も不必要になってきます。

オランダの子犬への接種は殆ど皆んなコアワクチンのみでパルボとジステンパーの2種という子も多いですし、パル ボだけ摂取させる子もよくいます。

ケンネルコフワクチン は鼻腔内投与の方が効果的です。オランダではホテルや試合など多数の犬達が室内に集まる場所で接種が義務になってます。


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