バイオメンター動物病院
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筋力トレーニング


今日の動画は、夕方の山散歩中に毎日行っている「運動」のある一例です。大したことない動きですが、運動で負荷を与えすぎると、反対に怪我をしますので、 実行可能な範囲で、身体に刺激を与えコツコツと続けていくことで数ヶ月後、数年後に成果が現れてきます。

「散歩」とは、道端で匂いを嗅いで五感を刺激し、縄張り点検や情報収集の役割を持ち、また排便、排尿をおこなったり、社会性を身につけるチャンスを得られ る時間で、謂わば、精神的な欲求を満たしその発達を促す行為だと言えます。散歩は運動前後のウォーミングアップ&ダウンです。

「運動」は、精神的に加え、身体的な向上を目的としたものです。毎日の散歩の中でも、意識して運動を組み込むことで、骨密度の高い頑丈な骨を作り、筋肉や 靭帯、腱を強くするこで関節保護が強化されだけでなく、心臓や肺などの心肺機能や消化器官の機能を高め、血行をよくし代謝が活発になりますので、便秘や消 化不良の改善も期待できます。

関節周りの筋肉を鍛えることは、関節を強化し、関節軟骨の消耗の原因となる加齢や急激な動きから関節軟骨を守る効果があります。また発達した筋肉がブレー キの役目を果たせることで、急激な動きから靭帯や腱を守り怪我予防にもなりますので、筋肉の発達は運動をさせる最大の目的だと言えます。

筋肉を増加させるには、筋肉の破壊と修復を繰り返すことです。筋肉を使うことによってまず筋肉の組織が破壊され、「24~48時間」かけて徐々に修復され ます。トレーニング後破壊された筋肉は、適切な時間休息と適した栄養素(生食)を与えることで的確に修復され、さらに「超回復」という筋肉を壊して育てる 法則が働き、トレーニング前よりも肥大する仕組みになってます。スポーツ犬達のように激しい(筋肉を使う)運動を行った後は、超回復が起こるのを待ってか ら次のトレーニングを行う方法が、筋肉を増加させるには理想的だということです。また運動後のストレッチやマッサージなども超回復を促します。

散歩時の軽い運動であれば、次の日まで休息をることで超回復が起こり、徐々に筋肉が増していくだろうと思います。ただの散歩では鍛えられない筋肉(体幹筋 肉、インナーマッスル)を強化するために、坂道を歩かせたり、後ろから少し負荷をかけたりすることで筋肉を強化する方法を私達は行ってます。家庭内でもバ ランスボールを使って強化する方法もありますし、シニア犬であれば、マットや枕の上などでバランスとる練習をすることで運動になります。またアジリティの スラロームのように、ジグザク歩かせることで、一直線の散歩では使わない筋肉を強化できますし、関節可動域を拡大する運動にもなります。川を通る散歩コー スであれば、ハイドロセラピーやウォーターウォーカーも可能です。また草が伸びた広場を歩かせたり、少し走ったりすることも効果があります。

骨と骨をつなげて一定の位置関係に固定するのが靭帯、骨と筋肉をつなぐのが腱ですが、靭帯は周辺の筋肉を強化する際に強くなっていくことがわかっています し、腱も筋肉を鍛えることで断裂しにくくなるといわれてます。筋肉が運動による肥大化して引っ張る力が強くなると、腱もそれに反応し強化されていきます。 怪我のないように関節に無理のない運動をすることが重要です。

骨密度を上げる運動は「ジャンプ」です。まずは筋肉をつけてからのジャンプをお勧めします。骨作りに必要なカルシウムは常に新陳代謝を繰り返してますの で、食事によって補給することが重要です。またマグネシウムも骨のミネラル密度を上昇させるには欠かせない栄養素で、カルシウムとマグネシウムのより適切 な比率は1:1です。カルシウムを取りすぎて、マグネシウムが足りない場合、筋肉がけいれんする傾向にあり、またマグネシウム不足は心臓機能にも影響を及 ぼします。さらにビタミンK2やビタミンDを合わせた4つの栄養素は、お互いに協力しあって体内で絶妙な働きをしていますので、この比率も重要です。

骨作りや運動後の筋肉や靭帯の超回復時に大事なのは、犬達の体が必要としている栄養素を、体が使える形で提供することであり、生食以外には考えられませ ん。骨には骨を、筋肉には筋肉を、関節には関節を与える「同物同治」こそ、運動の効果をさらに発揮させるための大事な要素です。

しかし変形関節炎にような重度の障害がある場合には、栄養素を十分に吸収できていない事も考慮し、以下のものが入ったジョイント系サプリを処方すること で、良い効果が出た経験が多いです。「カルシウム、マグネシウム、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ビタミンA、MEM(メチルスルホニルメタン)コ ラーゲン(Ⅰ型とⅡ型)、ボスウェリア、デビルズクロウ、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンA、クリルオイル、マンガン、銅、鉄、亜鉛」使い始めは量を 多くし、徐々に適量に戻すやり方です。

前回出てきたシニア犬のゼノが立てなくなって以来、処方しているお注射の中身は、ビタミンD3、ビタミンD12、Heel社のTraumeel(アルニ カ)、デキサメタゾン、フルニキシンです。これはシニア犬のQOLを改善するための処方です。

その他にもウコン(+10%黒胡椒)、ホワイトウィロー、CBDオイルなどものあります。


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