バイオメンター動物病院
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冬の温活対策


逞や絵菜は小型犬なので、狼犬のモナミよりも寒さにはそんなに強くないです。冬は家の中でもヒーターの周りに陣 取ってます。

牧場は森に近いため住宅街よりも気温がぐっと下がりますし、結構長い時間作業しますので、濡れた雪や冬雨の場合 はコートを着せて牧場へ行きます。

気温が下がっていても天気が良い時はコートは着せないです。

本格的な冬になる前に体力と筋肉をつける様にはしてますが、寒い日は、筋肉動かして熱を発生させるシバリングし てました。

その反面、モナミや北斗の様な大型犬は、熱を放出するための表面積が体積に対して小さくなるので、大型犬の様な 大きな体は熱を外部に放出しにくく(ベルクマンの法則)、体温をキープする事が得意です。

アレンの法則では「恒温動物が寒冷な地域に生息するものほど、耳や尾など体の突出部が小さくなる」という法則で すが、モナミの場合は本物のオオカミに比べて耳が大きすぎるので、狼だけど狼じゃないというのがわかります。 🤣

羊毛ふさふさの羊達も、ダブルコートどころか、もっとありそうなんですが、確かに濡れるのは表面だけで保温効果 も抜群ですね。

馬達にも冬毛が生えてますので、1、2週間冬の大雨が続かない限り地肌まで浸透する事はないです。

体温は体の表面にある皮膚温と体の中心部に位置する深部体温がありますが、温活の基本は深部体温を上昇させるこ とです。

この重要な深部体温を下げてしまわない様な知識があると冬場の寒さ対策を行う時に便利です。

🔸温活対策
●体温の約4割を生み出す熱産生の主役は筋肉ですので、冬前にさらに筋肉をつけ、冬の間筋肉が落ちない様な食事 や運動をさせることが重要です。

●産生された熱を全身に運ぶのが血液ですので、 血流を促しその熱を身体中に行き渡らせることが重要です。その血流を促すために使うのがホーソンベリーです。そのホーソンベリーの特徴から、他の自然薬が 体全体に行き渡る効果をサポートする為にホーソンベリーを一緒に処方してます。

●朝は、夜に体内で処理された不要物の排出が行われますので、朝から大量の食事を与えてしまうと消化吸収のため 胃腸に血液が集中してしまい、排出に関わる臓器に血液が回らず働きが低下します。

排出に関わる臓器の働きが低下すると老廃物の排泄がスムーズに行かず、血液がドロドロとなり血流がよどみ、熱を 身体中に行き渡らす仕組みがうまく行かず体温低下につながったりします。

漢方では血液がドロドロになり循環が悪くなっている状態を瘀血(おけつ)と言いますが、毛細血管まで血が行きわ たりにくいため、手先・足先といった末端部分がとくに冷えているのが特徴です。

朝ごはんを与えている人は、大量に与えるのではなく、体を温めるボーンブロスやスープなどにお肉や脂肪を少量加 える様な食事にしてみる事も方法です。

●ストレスは血管を収縮させ血流を悪くして体を冷やすので、特に冬場はリラックスすることが大切です。ストレス がかかった時に血流が悪くなるのは出血によって命を失うリスクから守るために進化した生体防御反応なのですが、 血流が悪くなることは免疫力にも影響します。

●シニア犬になって運動量が減ると筋肉量がどうしても減ってしまい、血行が悪くなる事があり熱が全身に行き渡ら なくなり足先が冷えてしまいます。

特に下半身の冷えにより腎臓への悪影響がでると考える為、私達はシニア犬には補腎の為に八味地黄丸、もしくは牛 車腎気丸を処方します。

●少食の子や、シニア犬などで食欲が落ちて体重が減ると、熱を蓄えてくれる脂肪が減少するためす冷え易い体に なってしまいますので、冬場の食事には良質な脂肪を多めに与えます。今までの食事の量に含まれる脂肪の量を追加 で倍にする感じです。

決して糖分で体重増加を促さない様にして下さい。糖分の過剰摂取にはデメリットが多い割には、実際には体重維持 や体重増加には効果がない場合は多いです。

●外飼いの犬達の食事量は冬になると60~70%も増加するという話があります。私達の犬達は室内飼いですが、 左から1時間半は寒い牧場に居ますので、1日一食である為、夜の食事も多めに与えたりします。

●筋肉を震えてシバリングをしていれば、寒いのだろうと分かりやすいですが、体の内部に血流を集める為に体表面 近くの血管を収縮させて血流を低下させる体温調節機能もあるため、手足や耳などが冷たく感じる時も体が温度調節 中である事がわかります。

●外は寒いですが、運動することで自然と熱産生に繋がりますので、冬の牧場では、大きな声で掛け声し、枝などを 奪い合ったり、投げて取り合ったり、ワンプロを促したりしします。これは犬だけでなく、羊達の世話で手足の指が 凍ってしまっている私の体にも効果抜群です。

●「脂質の多い食生活は、血流をどろどろにし血流の流れを悪くさせる」という事を言っている獣医や医師が今だに いますが、これは質の悪い脂肪の摂取を指摘しているので、良質な脂肪には当てはまらない事です。

どんな脂質を言っているのか明確でなく、脂質を一言で片付けてしまう様なアドバイスは、オランダ人達が役に立た ない情報を耳にした時によく使う、「そんなのトイレに全部流してしまえ!」と言えるレベルの発言です。



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