バイオメンター動物病院
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質の良いドライフードとは?


オ ランダで生食を与えている飼い主さん達の中には、ドライフードと併用している方(特に大型犬)も意外に多いです。しかし生食と併用しているため、十分な量 の良質たんぱく源と脂肪を使っている物、負担にならない炭水化物源であり含有量も少ない物、添加物がゼロである物、低温加工である物、etc…. と使うフードへの条件は流石に厳しいです。

その意識の高いオランダの生食派の世界で評判が良いフードの原材料と成分表を紹介します。これは、オーガニックファームで育った動物や野生動物だけを使っ た生の総合栄養食を作っている会社が、生食派用に開発したドライフードです。少食で運動しながらでないと食欲が湧かない逞も、朝からの牧場での運動中に 一食分としてこのドライフードを食べてます。

原材料
生肉骨内臓60%(鶏首、牛肉、ラム肉、山羊肉、鶏肉、牛心臓、牛肺、牛トライプ、牛レバー)乾燥人参15%、乾燥リンゴ14%、キビ5%、クリル2%、 ココナッツオイル2%、ネトル1%、ビタミン&ミネラル0.5%、水分0.5% (グルテンフリー)

成分
粗たんぱく質 31.0%(1.2%は人参とりんごから)、炭水化物(27.8%)、粗脂肪(18%)、水分(13.2%)、粗繊維(2.72%)、粗灰 分(7.19%)、カルシウム(1.32%)、リン(0.80%)

私達がドライフードに点数を付ける場合の判断材料も「原材料と成分表」で す。フードを宣伝するサイトでも、長々と書かれている売り込み文句は読まずに原材 料と成分表を探します。重視する点は原材料欄の真っ先に書いある項目です。上記のフードには「生肉骨内臓60%」+「鶏首、牛肉、ラム肉、山羊肉、鶏肉、 牛心臓、牛肺、牛トライプ、牛レバー」とあります。この一番最初に表示をされている物が、そのフードに最も多く含まれている物であり、それに続く原材料の 量が二番目、三番目に記載という規則です。この一等席に穀類(トウモロコシや小麦粉)、米、ジャガイモ、などの炭水化物類が占領していたら、申し訳ないで すが肉食動物用には❌という判断です。狼よりも雑食と進化した犬達の中には、炭水化物も上手に消化できる機能を少しは備えている子も居ますので、フードに 炭水化物が含まれている事が問題ではなく、どんな原材料を使いどれくらいの量使用したのか?という事が重要だという訳です。

動物性の良質なタンパク源に拘っている製造会社は、この一等席に生肉の名前を記載し、さらに、それらの動物を何%使っているのか公表してます。原材料の最 初に「チキン」と書いてあるけど%が記載されておらず、原材料の欄に「植物性分離タンパク」等という物が載っていたら、成分表のたんぱく質の%に植物性タ ンパクも含まれているので要注意です。(植物性タンパクはグルテンである可能性も大です。)動物性ミールやエキス、パウダーは畜肉副産物ですので、肉でな い不明な部分が使用されているのでお勧めできないです。

また、原材料内にアミノ酸の名前が連なっている場合は、使用している肉類の質が悪いからという判断をしてます。上記の原材料のように、生の肉、骨、内臓が バランスよく使用されたフードであれば、敢えてアミノ酸を加える必要はないからです。上記のフードは低温で乾燥され圧縮されたものですので、加工による破 壊も抑えられています。どのような製法で作られたのか?という情報も原材料や成分表以外で見る項目ではあります。それでも加工された栄養素の消化吸収率は 生に比べて下がりますので、フードに含まれるタンパク質や脂肪は、特に質の良いものでないと栄養素としての役割は果たし辛いですね。

上記の原材料には「炭水化物」の%が記載されてますが、これはかなり稀な話です。一般的に炭水化物の割合を記載するのは規則にはないので、あえて載せてい る製品はまずないです。フードに含まれる炭水化物の割合を知りたい場合は、成分表にある%を全て足し100%から引いた数字です。これが半数以上である場 合は、炭水化物が多く含まれ過ぎているフードとなり、こちらも犬猫には適してないという判断になります。フードがどんなにプレミアムでも、炭水化物の割合 の方が多いのでは良いフードとは言い難いです。また原材料の売り込み欄で「鶏肉を肉類原材料割合の80%使用」と書いてあるには、「使われている肉類原料 の80%が鶏ですよ」という意味で、全ての原材料の80%でないので惑わされないように。

時に、ビートパルプが原材料の欄に書いてあるのを見て驚きますが、私たちも今の寒い時期に馬達に食べさせてます。馬はご存知のように草食動物です。大豆 ミールや豆類などと同じように、フードのカサを増すために使っているのでしょうが、犬猫にとっては消化し難いものですので、入ってない方がベターです。 「動物性脂肪」という原材料も要注意品です。何の動物のどの部分の脂肪から取った脂肪なのかわからないので怪しいです。分かっているなら、その物も名前を 明記するはずですからね。

BHA、BHT、エトキシキンの様なものを「使用料は少量であり病気になる可能性は低い」という人もいますが、少量でも数ヶ月、数年と食べ続けたときに、 体にを与えない保障はないのが事実ですので、できれば摂取させない方が良いと言うのが私達の意見です。

どんなに高品質のフードでもドライ過ぎる難点を抱えてます。脱水症状を切っ掛けに様々な疾病が発症するケースが多いので、ドライフードを与える場合は、十 分な水分を餌からも補給できる様に、骨髄スープの様なものを十分含ませて与えることをお勧めします。



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