バイオメンター動物病院
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子犬の生食


写真はチェコスロバキアン・ウルフドッグのモナミが生後11週の時で、体重が11kgでした。6週齢の時は6.4kgで、その後は1週間に1kgほど増 えてました。

この年齢の子犬達は体重が毎日増加し運動量も増えますので、それに合わせて食事の量が増して行きます。必要標準量というのはある程度の目安であって、生食 の場合は従わなくてはいけない規則はないです。ビリングハースト獣医師も子犬の体重の5~10%という幅を持たせてます。これがドライフードであれば、炭 水化物の摂取量が増え過ぎて太っていく可能性は高いですが、生食にはそういった心配もなく、生食で育っている子犬で肥満になる子はいません。

食が細かった当時生後11ヶ月だった逞も、モナミとの活動的な生活で食事の量が3倍以上になりました。前は昼寝していた時間ですが、今では庭でモナミと鬼 ごっこしてますので運動量が増したのが要因です。以前は、体重の2%程度でも食べて貰うのに苦労していた逞だったのですが、今では与えると(3倍の量を) ペロッと食べてしまいます。またモナミとの競争心が功をなし、与える骨などを口に咥え、モナミに追いかけられながらも、奪われる前に食べてしまおうと一所 懸命です。三倍以上食べてますが体重は殆ど変わりません。

生食専門家のLonsdale獣医師の話では、生食であれば子犬は必要以上に過食することはないので、食べれるだけ与えて良いと言ってます。個人差や環境 の違いで例外もあるのでしょうが、北斗や飛鳥、逞やモナミ、また私達の診療所に来る子犬たちに関しては、この見解は正解であると言えます。モナミはお腹が 空くと台所の前に座り始めます。1日に何グラム与えているのか正確な数字は把握してませんが、残すのか、まだ台所に座り続けるか?でその時の量が変わって 来ます。毎回与える食餌の量は150grから200grで回数もその日によってちがい、成長のバロメーターはモナミ自身の様子と体の成長度、そして週に一 回測る体重です。

子犬時代から食糞する子がいますが、一番の理由は空腹、もしくは食べてる食餌の栄養分が足りてないだからだと思います。その行動が食事とは関係しない問題 行動となる前に、生食に切り替え、栄養バランスが整った、成長する体が必要な食事を与えることで、この食糞が解決するケースが殆どです。残念ながら、フー ド食の多い犬猫が多く、消化されてない、餌と間違えそうな糞が多数落ちている世の中なので、見分けがつかない空腹の子犬たちが食糞するチャンスが多すぎる ため、子犬への断食は薦められないと思ってます。

断食と言えば、6歳の北斗は時には二食、三食と続けて食べない時もありますが、犬や猫たちは自分で断食する時期を自分で調節しているというのが私達の経験 で、食べなくても元気もいいし普段と変わらない様子であれば心配ないというアドバイスです。こういった彼ら自身の身体の調節能力を尊重し、私達は決まった 日に断食させるという事は行ってないですし、断食を反対しているという訳ではないですが、診療所ではそのアドバイスも出してません。

子犬が新しく家に来た時に生食を行いたいという方にとっては、どこから始めたらいいのか迷う人が多いかと思います。子犬や子猫が既に生食で離乳されるのが 一番いいのですが、加工されたフードで離乳されたとしても、消化器官がフードに慣れるまでに時間は経ってませんので、直ぐに生食に切り替えたとしても大き な問題が起こるという経験は診療所内ではないです。生後3週目からすでに生食を行うことができますが、この最初の三週間に口にする食材が、その後のその子 の消化機能にかなり重要な影響を与えるという話もありますので、生食派が増えている日本ですので、フードをお使いの方も、週に二、三回でも生食材を与える ことで、子犬や子猫たちの消化器官をより一層ベストな状態にして、新しい家に送り出すことが出来るのではないかと思います。逞やモナミは勿論、生後4ヶ月 で私達に引き取られた北斗や飛鳥も、シェルターではフードを食べていましたが、直ぐに生食を与えても下痢もなくスムーズに行きました。

環境が変わる際に、抗体初乳やプロバイオティックを与えてあげるのは、フードであれ生食であれ環境変化による身体への負担をサポートできるかと思います。 精神的なサポートも大変重要ですので、新しい犬をお家に迎える際に、犬の心理に関して把握しておくことで身体的な負担を軽くしてあげることができます。心 と体は繋がっているのは犬や猫も同じですからね。

成犬を生食に切り替える際には、焦らずゆっくりとフードから缶詰にし、缶詰から加工したお肉類、そして一つ一つのタンパク源を生にしていくことをお勧めし ます。缶詰から手作り食にした際に多過ぎる野菜や炭水化物が消化機能の切り替えの妨げになることもあるので要注意です。フード時代が随分長かったシニア犬 の中には、どうしても生のものを消化する機能が戻らない子も居ますので、そういった場合は生に拘り過ぎず、加工された(お肉を中心に作られた)缶詰や火を 加えた手作り食を与えてあげるだけでもドライフードのみの食事よりは健康食と言えます。



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