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疾病の慢性化 疾病の慢性化に悩み私達の診療所に相談に来られるご家族が多いです。疾病の種類や年齢は様々ですが、多くのケースで共通している点があります。 「子犬期に下痢発症し抗生剤を使い始めた」 私達の視点で疾病が慢性化する原因は以下です。 1位:体に合わない食事
2位:駆虫薬 3位:対症療法 1位:体に合わない食事 - ブリーダーでの離乳食フード -(日本なら)ショップでのフード - 子犬と一緒に渡されたフード - 獣医が勧めたフード など何処が出所であれ、そのフードの原材料や成分表をみると ✖︎動物性ミールやエキス、パウダーが使用され ✖︎鶏の記載でもその重量が不明で ✖︎生鶏25%でも乾燥後は割合がその半数以下に減る注意書きはなく ✖︎足りてない必須アミノ酸名が連なって記載され ✖︎豆の種類を変える事で、豆類の総重量を誤魔化し ✖︎炭水化物の割合が多過ぎ ✖︎野菜の数も目を見張るもので ✖︎並んだハーブの重量は不明 ✖︎「動物性脂肪」の内容も明確でない など色々あり、最終的には ✖︎「ブリーダーが!獣医が!専門ショップ!が勧めたから」という事で「良いフードなんだろう」と納得して与えてしまうご家族が多いのだろうと想像します。 誰もが生食を与える環境ではないと思いますが、少なくとも質の良いフードや缶詰を選ぶことで、慢性病の大きな原因である「体に合わない食事」を続けさせる事を予防できます。 参照:ドライフードの見分け方 2位:駆虫薬 フィラリア駆虫に関しては、日本の獣医達の間でも意見が分かれる話題の様ですし、これに関しては生活環境とリスクの度合いで対処法もアドバイスも違ってきます。 しかし腸内寄生虫駆除に関してはちょっと話が違います。 生後間もない動物達にの腸内寄生虫駆虫薬を与えるのことが一般化している様ですが、その必要性は個体により違いがあり、全ての動物に必要という訳ではないです。 親達も生食で育ち、子犬や子猫も離乳食から生食してる子であれば、まず必要ないと言い切れるだろうと思います。 腸内寄生虫というものは個体の免疫力に調節されてますので、自己免疫が確りしている子であれば、寄生虫が勢いを増す事はあまりないです。これには勿論、1位にある食事が関係します。 環境の変化などのストレスで免疫力が低下する子が多いですが、その際に、プロバイオティクス2号や4号、また免疫力をサポートするコロストラムを与えることで、腸内寄生虫の勢力を抑えることができます。 よく見るのは、頻繁に服用する過剰な駆虫薬の影響で腸内環境や腸内細胞が侵され、下痢 → 悪玉菌増加 → 抗生剤 というパターンに陥り慢性化していきます。 下痢の原因だろうと思って、無闇に行う駆虫により下痢が慢性化し、原因が分からないために「過敏性腸症候群」に病名が収まり、治らないとまで言われるケースです。 腸内寄生虫にも実は役割がありバランスを保つ事が大事です。この話はまた別の機会にしますが、腸内寄生虫を駆虫する前にまずは便検査を行って寄生虫の有無を調べてください。 また個体によっては、生姜や桂皮の様な生薬でも十分勢力を抑えることができ、それにより自己免疫力を強化することができます。 まずは「下痢の原因は何なのか?」の判断を行い、治療法を決めることをお勧めします。 参照:子犬の慢性下痢症 3位:対症療法 皮膚病、リーキーガット症候群、自己免疫疾患、糖尿病、膵炎、肝炎、腎炎、腫瘍、内分泌疾患、免疫低下etc….と、出る症状は個体により違い、その子のエピジェネティクス作用で弱い遺伝子スイッチがオンになり発病します。 急性的に重症度や緊急度が高い場合に抗生剤やステロイドが使われるケースは例外ですが、インスタ上で相談を受け、その中でいつも印象に残るのが、出される薬剤のタイミングが早過ぎたり、量が多過ぎたり、服用期間が長過ぎたりする「過ぎる処方」が多いな~ということです。 原因を改善しないまま投与することで1クールでは効果が出ず、抗生剤の種類を変えてさらに服用期間を伸ばしたり、ステロイドを増量させ症状を抑えるが治ら ないのでさらに増量になる。どこかの時点で治れば良いのですが、多くの場合はこういった対症療法では再発してしまい、さらに薬品に頼るという慢性化への道 を辿ります。 まず病気になる原因を断ち、自宅で出来きる対処を増やし、自分で経験を積んで行くことで、全てを獣医に委ねる必要がなくなります。 また獣医での診断を受けても、それに対する治療法を自分で吟味することで、正しい選択が取れる様になります。 参照:薬に頼らない身体作り |
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